地球温暖化 長野県はどうなっている?③

長野県でみられる異変

写真は環境省「COOL CHOICE」ウェブサイト「COOL CHOICE TV」を加工して作成

信州産米に迫る危機

一等米比率全国2位、10aあたりの収量全国3位の県産米。
温暖化が進むと、夏に穂が出た後の高温が原因で、収穫されたお米の中に、部分的に白濁した“白未熟粒”が混じり、お米の検査等級が落ちて、最終的には経済的損失に繋がってしまいます。

りんごの着色不良

全国第2位の生産量を誇る長野のりんご。
りんごは温度が下がらないと色づきが悪くなったり(着色不良)、色づくのが遅れることがあります。
長野のりんごは全国でも早く収穫・出荷していますが、色づきが遅れれば、出荷も遅れて、産地の長所を活かすことができなくなってしまいます。

伝統産業・寒天づくりの今後は…?

寒天作りの生産期間が、今までの約80日から、長くても70日、実際は60日程度に短くなっています。
12月前半と2月中旬以降の気温が上昇、寒さが確保できないことが原因です。
あたたかくなることで余分な作業が増え、伝統産業として今後も続けられるか心配されています。

変わりゆく里山の景観

上田市の里山に、以前は長野県中部より北には見られなかった、ドングリの実をつけるブナ科のシラカシの林が広がり始めています。
平均気温の上昇によりシラカシが育ちやすい環境となったことも原因のひとつと考えられています。
植生の変化は、今後さまざまな生物にも影響を与えていくことになるかもしれません。

参考

環境省「COOL CHOICE」ウェブサイト「COOL CHOICE TV」(長野県)

長野県農業関係試験場の取り組み

【写真】左から 農業試験場、果樹試験場、野菜・花き試験場、畜産試験場

長野県の農業関係試験場では、気候変動に関する様々な取り組み(緩和・適応)が行われています。
取材してお話を伺いました。

取材レポート(協会会報誌『エコシン』より)

👉「地球、だいじょうぶ?(11)高熱=温暖化にそなえるには①食を守る」