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生物多様性ってなに?❷チョウをとりまく自然を守ろう

「環境こどもサミット」(長野市)の学習会「生物多様性ってなに? 支えあい つながる命」の聴講内容のつづきです。

<3>ゴマシジミ(蝶)の一生――浅川地区住民自治協議会ゴマシジミ保護・育成チーム

ゴマシジミはごく近い将来、野生での絶滅の危険性が高い蝶で、長野県では、松本市の奈川地区と長野市の浅川地区のみに生息しています。

ゴマシジミの一生
①ゴマシジミの成虫は年1回7~9月頃に交尾、ワレモコウ類の花に産卵。
➁幼虫はワレモコウの花を食べて成長(=草食)。
③卵で1週間、幼虫で2週間経つと、ワレモコウから地上に降り、甘い成分を出して、クシケアリ属のアリを誘い、巣内に運ばれる。
④アリの卵・幼虫を食べて大きく成長(=肉食)
⑤アリの巣から出て、枯れ木の下や土の中でさなぎとなる。
⑥翌年夏に羽化する。

ゴマシジミが減った理由
〇草原が減った
〇ワレモコウが減った
〇成虫が吸う蜜のある花が減った
〇アリが減った
〇人間がチョウを捕ってしまった

浅川地区の生息地は霊園なので、適度な草刈りが行われ、在来の草花が残されてアリもいるため、ゴマシジミが残ったと考えられます。
ゴマシジミを守るため、こどもたちにゴマシジミを知ってもらうための紙芝居の作成、生息地の除草作業、違法捕獲防止のパトロール、
食草「ワレモコウ」の育成などに取り組んでいます。

先日、創立20周年記念事業「世界環境写真展」のスライドトークで、昆虫写真家・海野和男氏より、松本市浅川地区のゴマシジミ保護活動が紹介されたので、とてもタイムリーな内容でした。
アリの巣に運んで育ててもらいながら、アリの卵・幼虫をエサに大きくなるとは!
恩を仇で返すようだけれど、自分の子どもたちを犠牲にしてまでもアリにとって魅力的な甘い汁って一体?
と、その生態の不思議さに驚かされました。[YT]

2018年10月29日