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仲秋の名月と波のうさぎ🐇

今年の中秋の名月(旧暦八月十五日の月)は今月24日、翌25日が満月だそうです。

○名月や うさぎのわたる 諏訪の海 (与謝蕪村)
〈句意〉
今宵は中秋の名月。
諏訪湖の湖面に立つ白波が、月に照らされてキラキラ輝いている。
きっと、月に住む白うさぎが、諏訪湖を飛び跳ねて渡っているのだろう。

波と兎(波うさぎ)」は古来から親しまれているモチーフですが、その由来は謡曲『竹生島』の一節に由来するのだとか。

緑樹 影沈んで 魚 木に登る景色あり
 月 海上に浮かんでは 兎も 波を奔(かけ)るか 面白の島の景色や
〈意味〉
緑豊かな木々の影が(琵琶)湖に深く沈むように映り、まるで魚たちが木を登っているよう。
月は湖面に浮かぶように映り、白くさざ波が立つ様子は、まるで月に住む兎も波間を走って行くようだ。(琵琶湖の中の島である)竹生島の景色はなんとも素晴らしい。

最近では、『この世界の片隅に』(作・こうの史代)で、主人公のすずさんが、級友・哲の代わりに描いた課題の絵に、江波の海の白波を「白うさぎみたいなねぇ」と、飛び跳ねるうさぎに見立てたシーンが印象的です。[YT]

2018年09月07日