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C.W.ニコルさんとアファンの森

遅ればせながら、NHK「アファンの森よ 永遠に 〜C.W.ニコルからのメッセージ〜」(8/10(月)21:00-放送)を観ました。
4月に亡くなったC.W.ニコルさん(1940-2020)は、長野県黒姫山の麓に位置する、大木が切り倒されて無残な姿になっていた森を、少しずつ買い取り、30年以上の月日をかけて、絶滅危惧種の貴重な生きものや植物が息づく、美しい「アファンの森」へと甦らせました。

番組で印象に残ったニコルさんの言葉を紹介します。

🌳健康的な森

元々の日本の森はとっても豊かです。なぜかというと、木の種類・動物の種類がたくさんあります。
たとえばこの小さな森でも、木の種類は70もありますよ(現在は約150)。
しかし、人間が切ったり植えたりするときは、切りっぱなし、植えっぱなしじゃダメで、手入れが必要です。
手入れしないと、密集するんですね。
密集すると、光は入らない。風が通らない。鷹とかふくろうが飛べない。
やっぱり、間伐したり、いろいろと人間の汗と愛情を入れないと、森は育たないんですよ。
「健康的な森」はどういう森かというと、明るい森です。
つまり、光が入る、まだらに光が入る森は健康的になる。
木が育つためには、まわりの自然が豊かじゃないとダメなのです。
つまり多様性、豊か、ダイバーシティ。
多様性には可能性があります。
世の中の気候とかいろいろと変わるなか、いろんな可能性があれば生き残ることができるんです。

➜アファンの森の「アファン」とは、ウェールズ語で、「風の通るところ」という意味だそうです。
「健康的な、まだらに光が入る、明るい森」に、風が通るさまが想像できます。

🌲森はクーラー・森はダム

森はものすごく大きなクーラー、涼しさの原点だ。
森が地球から減っているから、こんな風になるので、森を回復させなきゃダメなんだ。
森は水を吸収する大事なダム
だから木を切り倒してダムを作るのが大事なんじゃなくて、木を切らずに森を守ることが、ダムをちゃんと確保することに近いこと。
(加藤登紀子さんによるニコルさんの言葉)

🌳コロナ時代の私たちへのメッセージ

自然は、私たち人間が地球を傷つけ、共に生きる他の生命を虐げていることに多くの警告を発している。
新型コロナウイルスは、今後、我々を襲うであろう災厄の先駆けにすぎない。
私たち人間は他の生き物にもっと敬意を払い、自然界の調和を乱さぬよう力を尽くせないものか

森は人を元気にする、森には魔法の力がある--。
ニコルさんが愛した「アファンの森」を、コロナ禍が収まったら訪れてみたい、と切に思いました。[YT]

当センターの貸出用DVD・書籍にある「アファンの森」関連資料
『Afan Field Notes(アファン フィールドノート)』(右)には点字が施されていて、優しさを感じます。

2020年08月27日